2023年 未分類 猫を飼う上で

怪我した猫を保護する難易度は高い

先日、足を引きずった猫に遭遇。いわゆる地域猫で、すでに去勢済みです。それを見たら救いたくなるのが人というものです。しかし、とても厳しい現実に直面した出来事です。

すべては自己負担&自己責任

かわいそうだから救いたくなるのが人情。しかし、現状は全て自分でやるしかなく、どこかの機関が助けてくれるものではありませんでした。そして話を聞くと理解せざるを得ないものでした。

保健所と動物愛護センターが出来ること

まずはこれは東京都中野区のケースですが、結論から言うと保健所に電話したところ「足をひきずる程度では保護は出来ない」し、「治してくれる動物病院の紹介などもしていない」ということでした。(※別に冷たい言い方ではなく、しっかり丁寧に説明をして頂きました。)

主旨としては外で生きてる猫はたくさんいるのでそのぐらい(?)の怪我で保護をしてたら人的にも費用的にもリソースが足りないということのようです。外猫が怪我をしたらそれが外で生きる上では致命的になる可能性もありますが、仮にそれで生き残れないならばそれは仕方がない、かわいそうだけど全ては救えない、それが現実だということでしょう。心が痛みますが理解せざるを得ない気がしました。

一方で重症レベルだと動いてくれる場合もあるようです。もう死んでしまうかどうか、例えば車に轢かれたとかで動けないとかなら保護も有り得るとか。

保健所によると東京都の猫の殺処分はゼロを達成したらしいのですが、それは救って回復して保護猫活動をしている団体などに引き取ってもらうことが出来たケースのみで、それが叶わなかったケースについては殺処分されてしまってカウントされないようです。

つまりもう手の施しようがない状態。このまま生かしては逆につらい状態、などについては殺処分になってしまうとのこと。そこまでの状態の猫については殺処分になってもカウントされないようですが、逆に言えばそこまでの状態ではない猫の場合は殺処分されてないということになるので、そうであるなら少しは気持ちも楽になります。瀕死の状態ではなく【まだ生きられる猫】の殺処分はゼロ、という公表を信じたいと思いますし、本当にそうであれば救ってくれている全ての方々に感謝したいです。

保健所の後で動物愛護センターにも電話しましたが基本的に同様の見解でした。足をひきずっても動けているならばその程度で救援することは出来ないということです。前述の通り、それをやっていてはキリがないからリソースが足らなくなるということでしょう。

我々からするとそのような猫を見掛けると当然放っておけなくなります。とはいえ、自分では飼えないし、病院に連れて行くにも金銭的に厳しいから保健所や動物愛護センターに何とかして欲しいとなりますが、彼らからするとそんな相談はとても多いのだろうし、救いたいのはやまやまだけどそれらの猫を全て救ってたら人手も費用も追いつかないのです、ってことで現実的に不可能なのだと思います。動物愛護センターで話した方も非常に丁寧でした。みんな本当は救いたい。でも外猫はまだたくさんいるしそこで生きていれば怪我をする猫も当然たくさんいる。それを全て救助して治療させられるのか、というと現実的には不可能に近い。苦しいけどそんな現実が見えてきます。

ただ昔の印象だと「野良猫が邪魔だから連れて行ってよ」と住民から苦情が入って保健所が連れて行って殺処分、というイメージがありますが、そういうことはないようです。瀕死の猫は救助して治療を施すというのだから、元気な猫をわざわざ捕獲して殺処分にはしないでしょうし、そう信じたいです。

東京都の猫殺処分ゼロ報告とTNR活動

東京都は猫の殺処分ゼロを掲げ、実際に手の施しようがない猫以外、十分に生きていける猫に関しては殺処分ゼロを達成したということで、その活動は素晴らしいし、そこには多くの人の支援や協力があったと思います。中野区では「地域猫共生推進委員会」というのを今年からスタートさせました。去勢していない猫を発見したら捕獲して提携病院に連れて行って去勢手術をしてもらい、終わったら捕獲した場所に返す。いわゆるTNR活動を本格的に始めています。

去勢手術した猫は耳をカットして(いわゆる「さくら猫」として)一代限りの命を懸命に生きていきます。外の世界は過酷で生まれてもつらい目に遭ってしまう猫の赤ちゃんが多いですが、去勢手術をして耳をカットした猫はもう子供を作りませんから、これによってそのような子が生まれる心配はなくなります。

耳で判断をして耳がカットされていないようなら捕獲して病院に連れて行って手術をしてもらい同じ場所に返します。もう子供は生まれませんから増えることはないです。普通に考えればこれを続ければ猫は街から見なくなるでしょう。しかし、減らないとしたら猫を逃がしたか、捨てている可能性が高くなります。

保護猫を引き取った場合は去勢手術をする契約があります。もしくはすでに去勢手術済みです。しかしペットショップではそのような契約はないですし、そもそも飼う側も去勢をするものだ、という認識すらないかも知れません。去勢してない猫は盛りがつくので相手を求めて脱走しやすくなります。なので去勢手術をしないまま脱走や飼育放棄するとまた外の世界で子供が出来て増えてしまいます。こうなってしまうとまさに大きなリソースやエネルギーがまた必要となってしまいます。ペットショップで買う際にも去勢手術は絶対に契約項目に入れて欲しいと感じます。中には子供をあえて生ませたい人もいるでしょうが、一度に何匹も生まれてしまうので結局、対応しきれず、そして貰い手も探せず、何匹かは捨ててしまおう、というバッドチョイスをする人も出てしまい兼ねません。基本的にペットの放棄は犯罪で「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となりますが、これがまだ甘いという意見が増えてます。

ちなみに動物愛護センターでは、瀕死の状態の猫は引き取るようですが、その後の状況を聞くことは出来ないようです。例えば、治療してもらって回復したら引き取ります、ってことは無理なようです。まず瀕死の状態なので手術するのかどうかのレベルだと思われます。つまりここで救うことが困難だとすると手術はせずに殺処分になるのだろうと思います。そしてそれについてはカウントされません。救える可能性があったら手術などを行い手を尽くしてくれると思いますが、手術後に回復するかどうかまた分かれるでしょう。そこで無事に回復したら引き取り手(主に保護猫活動をしてる団体や個人)を探して預かってもらう、という流れになるようです。なので、瀕死の猫を預けたらその後どうなるかは教えられないとのことです。

結果としては、怪我をした猫を見掛けたら、自分で保護(捕獲)して受けてくれる動物病院を探し、連れて行って、費用も全て自分で出し、連れ帰ったら自宅で飼わないといけない(もしくは引き取り手を探す)、というハードルの高さになってしまいます。それが出来ないとなると心苦しいながらも放置するしか選択の余地はないという何ともスッキリしないけどどうにもならない結論に至りました。

気を付けたいのは、「怪我をしてるから治してあげた。でも飼えないから同じ場所に逃がします」というのはアウトになるようです。これは良いことなんじゃないの?と思うのですが、一旦、外猫を預かってから放すと放棄になる恐れもあるというので、気を付けたいポイントではあります。う~ん、自己負担で治してあげるなんてとんでもなく優しいことなので、それで元の場所に戻すぐらいはいいんじゃないかなって思いますけどね。一旦は飼おうとして引き取ってからやっぱり飼うの無理だわ、って放棄するのは完全にアウトだと思いますけど。

確かにそんなのどちらのパターンかなんて他人から見てもわからないので一律に「放棄」扱いでダメなんでしょうね。

そのケースでいくと、「地域猫をウチに迎い入れたい!」と保護して飼ったけど、例えば先住猫と不仲だったり、病気を持っていたりで、「やっぱり飼うのは厳しいな」と、一旦保護してから再度、外に逃がすのは、例え捕獲した場所であっても同様の犯罪になってしまうようなので要注意ですね。

まとめ

・軽傷では保健所も動物愛護センターも救うことは出来ない(病気や負傷する外猫の数は多い為、全て救うのは人手と費用的に不可能)。

・瀕死の状態なら救ってくれる(可能性がある)。その後の経過などは教えてもらうことは出来ない。

・生きられる猫については殺処分はゼロ。ただし、厳しい状態であったり生かすことがむしろかわいそうなケースは殺処分になることもあるがその場合は殺処分数としてはカウントされない。

・TNR(去勢して捕獲した地域に返す)活動が活発になってきている。その猫たちはもう子供を産まないので一代限りの命を懸命に生きている。

・軽傷の猫は発見者が自己負担と自己責任のもとで捕獲して病院に連れて行く。その責を負えない場合は助けずに放置するしかない。

・一旦、捕獲や保護をした場合(TNR活動を除く)、たとえ怪我の治療だけであっても再度、外に逃がしてはいけない。育てるか、譲渡するか、最後まで責任を持たないといけない。

あとがき

なかなか厳しい現実です。保健所と動物愛護センターに話を聞いたのはまだここ1ヶ月ぐらいのことです。忙しいかも知れない中、詳しく長い時間対応してくれました。それによって理解できた部分もありました。というか理解せざるを得ないといいましょうか。

他の地域だとまた変わってくると思います。中には無償で治療を受けるとこもあるとかないとか。地域の保健所や動物愛護センターや保護活動をしている団体があったら聞いてみて下さい。

ちなみに足を引きずった地域猫の件ですが、捕獲して病院で診てもらってからウチで引き取る計画でしたが、2日後ぐらいには普通に歩いておりました。軽い捻挫か打撲だったのでしょうかね。なるほど、こういうこともあるから全部は引き受けられないよな、と痛感する場面でもありました。

やはりキリがないので、根本的なところを改善するしかないですね。とにかく去勢せずに脱走させることや飼育放棄、ブリーダーの多頭飼育崩壊なんかは論外ですが、そのような行為をやめさせるしかありません。これらは認識不足も大いにあるので、ペットショップなどは売るだけではなく、もっと注意喚起をすべきだと思います。出来れば前述したような去勢手術を必須にするとか、購入時点でそれを込みにするとか(代金は先払いで少し成長したら去勢手術を行う仕組みにする)、猫を飼うには現実的に費用が掛かる(ご飯やトイレ砂などの消耗品の他にもワクチンや薬を定期的に投与したり、保険に入ったり、病院にも連れて行かないといけない)ので、収入はやはり重要になりますし、家族構成、部屋の広さなども飼育をする基準としては必要だと思います(実際、保護猫譲渡会ではチェックされます)本来は誰でも簡単に飼えるものではないと感じます。生涯に渡って面倒を見るからです。その生涯では色々なことが起きます。特にやはり世話の手間(時間)と金銭面です。

そうなると数量を販売することに重きを置いているペットショップという販売事業そのものに疑問符がついてきます。フランスなどいくつかの国ではペットショップの店頭販売を禁止したりする動きが出ています。「最初にお金を出せば命を買える」ことに対して疑念を抱かざるを得ません。大事なのはそのあとの長い一生ですから。ここの甘さが捨て猫や脱走猫に繋がり外で繁殖していることは否めませんし、問題を多く抱えたブリーダーもいますから、それもまた恵まれない外猫の増加に加担してる状況です。結局、全てペットショップ絡みと言わざるを得ません。もちろんしっかりしたショップもあるかも知れません。誰にでも販売するのではなく、ペットショップ側も責任を持たないといけません。

予想するに、おそらくこれから先の将来は全てチップやAIなどによって管理化されると思います。例えば、去勢手術はしたのか?ワクチンは打ったのか?いつ、どこの病院で検査したのか?など全て管理されると予想してます。つまりそれを怠ると通知が来たり、仮に遺棄や放棄すればデータが来ないのですぐに判明します。よりペットショップや飼い主の責任が明確になる時代が来ると思います。

個人的にはペットショップで飼われるかわからないのに大量に繁殖させたり、それらを購入するよりもまず保護猫がいっぱいいるんだからそれを飼いましょうと言いたいです。保護猫活動がなくなるぐらいになったら例えば予約制で条件(法律や契約)の下でピンポイントで販売、購入するのはいいかな、とは思います。猫のその後の経過も上記したようにチップなどでしっかり飼育されているのかデータ上で追跡されるようになっていく気がしてます。

とにかく少しでも幸せな猫が増えることを心から願ってますし、それに貢献してくれてる方々には感謝の想いが尽きません。それは動物病院で命を救ってる方々や保護猫活動をしてる方々はもちろんですが、何より猫を家族に迎い入れて大切に育て、猫たちに幸せと喜びを与えてくれている全ての方々に本当にありがとうございます、という気持ちを伝えたいです。

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